「アン姉とアン兄のロシアゆうゆう紀行」番外 <ファベルジェ美術館 下巻> [友人の美術館]
このイースターの習慣は、アレクサンドル3世の死後も、息子であるニコライ2世に受け継がれ、ロマノフ王朝崩壊の前年である1916年まで続けられました。
マリア皇后は夫と息子から合計30個の卵(宝飾品)を贈られたと伝えられています。
「戴冠式の卵」
1897年にニコライ2世が妻のアレクサンドラ皇后へ贈ったもの。
金とダイヤモンドの装飾がされた卵の中には、前年、ニコラス2世の戴冠式に使用された宮廷馬車の精巧なレプリカが入っています。
馬車の窓は水晶で作られ、扉を開けると乗降用ステップまで再現されているというこだわり様はさすが!
「スズランの卵」
1896年にニコライ2世が妻のアレクサンドラ皇后へ贈ったもの。
ダイアモンドで飾られた金細工が縁取りし、周囲をエナメルの葉と真珠のすずらんの花で覆う、当時流行のアールヌーヴォースタイルの卵
すずらんの花を一つ回すと、中からニコライ2世と二人の皇女オルガとタチアナの肖像が飛び出すというお楽しみ(仕掛け)が施されています。
「おんどりの卵」
1900年にニコライ2世から母であるマリア(アレクサンドル3世皇后)に贈った「おんどりの卵」
唐草模様のデザインを組み合わせたロココ風な卵の中央にある、金とダイアモンドと真珠で装飾された豪華な時計が美しい。実際に動くところを見ることは出来ませんが、上のボタンを押すと本物の羽毛で装飾されたオンドリが出てきて、羽ばたきながら唄を歌うそうです。
ファベルジェは19世紀初めに現れたスイス製自動人形の複雑な仕組みを参考に、この卵に組み込む自動機械を独自に作り上げたそうですよ。
「聖ゲオルギー勲章の卵」
ニコライ2世が母マリア(アレクサンドル3世皇后)に贈った最後の卵
ドラゴン退治の伝説で有名なキリスト教の聖人であるゲオルギーは軍人の守護聖人。帝政ロシア時代の最高の軍事勲章であり、オレンジ色に3本の黒いストライプの入った聖ゲオルギーリボンは、現代のロシア市民にとっても特別な意味をもつものだそう。
ファジェ美術館専属ガイドさんの説明とともに写真を紹介しました。美術館に所蔵されているインペリアル・イースター・エッグ一つ一つについて、このような丁寧なガイドを受けながら、じっくり鑑賞する時間は、とても有意義で楽しかったです。
私的(アン姉さん)には、ペテルブルク必見の美術館です!!
Photo by アン姉さんとアン兄さん/cordinated by アン姉さん/Fotografica E Cachorro/All rights reserved