アディの日

アディはウチの用心棒だった。

この洋服をドッグショーで見つけた時に、即座に買った。

そして、ペーパーナイフの刀を剣道専門店まで行って買った。

実に頼もしい用心棒であったが、食べ物に執着しすぎるのがタマに傷であった

冷蔵庫の下に前足をつっこんでいるなと思ったら

埃にまみれた干からびたニンジンを探し当てて、口に咥えてニンマリした時には

怒るよりも先に大笑いをしてしまった。

晩年、重度の腎臓病となり、点滴を数日おきにうけていた時も、平気な顔をしていたが

アディがどんどん干からびてきてしまって、亡くなる前日の点滴に初めて「キャン」と泣いた

抱っこをしてお別れをしようと思ったのに、

１２月８日の「真珠湾攻撃」の日にベッドで「あばよ～」と笑って逝ってしまった

ねえねえ、アディ、もりは食わず嫌いをしているのよ。

だから、少しの時間でいいから戻ってきてくれないかな。

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