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「アン姉とアン兄のロシアゆうゆう紀行」 第28回 [友人の美術館]
今回はプーシキン美術館を紹介します。
「プーシキン美術館」は、エルミタージュ美術館に次ぐコレクション数を誇り、ロシア国内だけでなく、ヨーロッパ全土においても最大級クラスの美術館。
なかでもフランスを中心とする印象派やポスト印象派のコレクションで有名ですが、私が訪れた時は、
2大ロシア人収集家の一人であるシチューキン・コレクション展が開催され、大きな話題を呼んでいました。
「セルゲイ・シチューキン」というロシア人コレクターをご存知ですか?
日本では松方コレクションの松方幸次郎氏や、アメリカのバーンズ氏、イギリスのコートールド氏といったコレクターが有名ですよね?!
2016年パリにおいて、ルイ・ヴィトン財団が企画し、ロシアとフランス両国でその準備に4年の歳月を費やし開催された展覧会が大成功を収め、ロシアでも四半世紀前は誰も知らなかったシチューキンの名が一躍有名になったそうです。
織物の輸入商で莫大な財を成したモスクワ生まれのシチューキンは、その優れた眼識でマティスやピカソといった近代フランス画家たちを見出し、彼らの作品を多数収集したコレクターとして有名です。
シチューキンはその膨大なコレクションを、当時モスクワ最大の美術館であったトレチャコフ美術館へ寄贈するつもりでしたが、1917年ロシア革命が勃発。コレクションは革命政府に接収され、レーニンによって国有化されてしまいます。
そして、一家はドイツへ亡命、その後、フランスへ移住。
1948年、スターリンによってサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館とモスクワのプーシキン美術館に分納されてしまいました。
100年以上の歳月が経過して初めて、シチューキンの作品が一つの美術館に集められ、展示されるということから、モスクワ市民にとっても大変に貴重で、稀少な機会であり、連日、多くの人がプーシキン美術館に足を運んでいるようでした。
プーシキン美術館 本館
連日、大盛況のようでしたが、正規ガイド付き観光客ということで、並ぶことなく正面脇の入口から入館できました。
このようなことは、ロシアに限ったことではなく、バルセロナにある行列必至のピカソ美術館でも経験があります。時は金なりということで、滞在日程の限られた旅行では、これも必要な手段の一つです。
博物館のように重厚な趣の内部
本来は古代エジプトから19世紀初頭のフランスまでの美術品が展示されています。
マティス「ダンス」
入館すると、先ず、私たち(アン姉さんとアン兄さん)を出迎えてくれたのはこの作品でした
マティスの友人であり、パトロンでもあったシチューキンは自宅の階段ホールを飾るため「ダンス」と「音楽」(いずれもエルミタージュ美術館蔵)の2作品を注文したと伝えられています。
大人気のマティス ルーム
かつてのシチューキン邸のように、所狭しとマティスの作品群が並べられた1室
なんと贅沢な空間!!
以前、来日して話題になった「金魚」も展示されていました♪
これだけのマティスの作品が一堂に会することは、フランスでもそうあることではない!?
少なくとも私の記憶にはないです!!
Photo by アン姉さんとアン兄さん/cordinated by アン姉さん/Fotografica E Cachorro/All rights reserved