「アン姉とアン兄のロシアゆうゆう紀行」 第25回 [友人の美術館]
15世紀末イワン3世(大帝)がモスクワを政・教の権威の中心とするために、イタリアから建築家を招いて、最初に着手した大改築がウスペンスキー聖堂でした。
クレムリン内において最大規模を誇るこの聖堂は、ロシア正教の大本山として宗教行事ばかりでなく、国家行事や公式セレモニーなども行う、極めて重要かつ権威ある存在となりました。
モスクワ大公のイワン4世(後の雷帝)が初めて戴冠式を行い、正式にロシアの初代ツアーリ(皇帝)に即位したことでも有名です。
生神女就寝大聖堂と呼ばれる聖堂正面入口のフレスコ画は17世紀に描かれたものですが、とても保存状態が良い。
聖堂内部の撮影は不可なので、写真で紹介することはできませんが、以下のHPにおいてバーチャルツアーが楽しめますので、興味があれば、是非!
1000人の職人によって描かれたフレスコ画で覆われた聖堂内の美しさは必見!
他にも、精巧な彫刻が施された天蓋付きの玉座は16世紀中頃に作られたイワン雷帝のものだったり、天井から吊り下げられたシャンデリアはナポレオン軍が退却時に奪っていった金銀をロシア軍が取り返して作られたと伝えられているものだったりと、見所多し♪
イワン大帝がウスペンスキー大聖堂の次に建設したのは自身と家族のための私的な礼拝用教会。かつては隣接する居城との間にかけられた渡り廊下を通って出入りできる構造になっていたそうです。
こちらもバーチャルツアーで内部見学できますよ!
イワン大帝の鐘楼と同時期に建てられた、大天使ミカエルを祀った聖堂(1508年竣工)
歴代のモスクワ公とロマノフ王朝初期の皇帝の墓所です。
イタリアの建築家による影響が、聖堂外部上部のルネッサンス風な貝殻模様に見て取れますが、内部はイコンとフレスコ画で壮麗に装飾された伝統的なロシア様式の聖堂です。こちらもバーチャルツアーでどうぞ!
ピョートル大帝以後のロマノフ王朝の墓所は、首都移転とともにサンクトペテルブルクのペトロパブロフスク聖堂に移されています。以前、ご紹介しましたね。
MOSCOW KREMLIN MUSEUMS