「アン姉とアン兄のロシアゆうゆう紀行」 第12回 [友人の美術館]
「アン姉とアン兄のロシアゆうゆう紀行」第11回 [友人の美術館]
友人のアン姉さんとアン兄さんが昨年に訪れたロシアの歴史建造物、風景を御二方の卓越した写真と趣ある文章をご紹介させていただきます。
外出自粛のこのご時世、疲れた心が癒されます
お楽しみください。
今回はロシアの女帝たちが愛した「エカテリーナ宮殿」です。
18世紀ロシアのロマノフ王朝の富と権力の象徴である、この絢爛豪華な宮殿はサンクトペテルブルク郊外の避暑地ツァールスコエ・セロー(皇帝の村)にあります。
ピョートル大帝がスウェーデンとの北方戦争に勝利し、かつてスウェーデン居留地であったこの地がロシア領となって、洗濯女エカテリーナ(のちの1世)に与えられたのが始まりです。
最初は夏の避暑用に建てられた小さな離宮でしたが、派手好きな娘エリザベータ女帝は「母の建てたものは古臭いし、不便なのよ~」と、すでに冬宮(現エルミタージュ美術館)の建設に携わっていた宮廷付きイタリア建築家ラストレッリに命じて、4年の歳月をかけ、ロシア・バロック様式の壮麗かつ壮大な宮殿とベルサイユ風の庭園を造り上げたのでした。
そして、エリザベータ女帝の死後、宮殿の主となったエカテリーナ2世は、ラストレッリは時代遅れとあっさりクビにし、宮廷付きロシア建築家キャメロンを重用して、キャメロン・ギャラリーなど、その一部を古典様式に増改築しました。
黄金に輝くロマノフ王朝の紋章を冠した宮殿メインゲート
広大な敷地を誇るエカテリーナ宮殿(メインゲートから)
宮殿裏に広がるフランス式庭園
ラテン語で「いびつな真珠」という意味をもつ「バロッコ」が語源である「バロック様式」の装飾が施されたパステルブルーの美しい宮殿
新エルミタージュの正面玄関と同様のアトランティスの装飾が興味深い
Photo by アン姉とアン兄/Cordinated by アン姉/Fotografica E Cachorro/All rights reserved